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約一週間前に、NHK「あさイチ」(11月25日)で、”40代も注意、オンナの腎臓病”という特集をやっていました。

普段腎臓の存在など意識しない人がほとんどだと思いますが、実は全国で1,330万人もの人が腎臓病になる恐れがあり(予備軍か)、新たな国民病として医学界では危機感が持たれているようです。

疲れやすい、腰痛、貧血、頻尿、むくみ、食欲不振など、日常的なちょっとした不調は、実は腎臓病の兆候かもしれないということです。

腎臓病は直に腎臓が痛むというような特徴的な自覚症状がないので、これらの症状を軽く考えていると、腎臓病を見逃すことにもなりかねません。

特に40代までの女性で、普段あまり水を飲まない、トイレを我慢する習慣のある人は注意し方がよさそうです。

さて、今回の「あさイチ」で取り上げる腎臓病は、『慢性腎臓病(CKD)』というものです。


慢性腎臓病(CKD)』は、高血圧や糖尿病、脂質異常症などのために腎臓の糸球体という血液をろ過する毛細血管の塊の組織がダメージを受け、その機能が低下していく病気です。やがては血液中の老廃物を除去できなくなる「腎不全」になってしまいます。

要するに、生活習慣病の成れの果ての病気です。この病気になると、3倍心臓病になりやすく、ビタミンDの代謝に影響し、その吸収が悪くなるので骨ももろくなってしまいます。

食事を含め生活習慣を正すことが、治療と予防のカギになるとのことでした。


[慢性腎臓病(CKD)]のチェック項目
病院を受診する時に、調べる項目です。

・たんぱく尿 ----- これが陽性だと再検査をし、異常が3ヶ月以上続くと慢性腎臓病と診断されます。

・採血 ----- クレアチニン(血中の老廃物)の数値が高いと、CKDの可能性が高まります。この値は重要で、CKD発見のカギと言えるそうです。
40代女性の場合、0,9以上はCKDと診断されます。

クレアチニンは、年齢・性別で基準値が細かく異なりますので、自分の数値が正常か、どの程度悪いかは、下記のサイトで確認してください。

「日本慢性腎臓病対策協議会」
http://j-ckdi.jp/index.html

・問診 ----- むくみの様子も見ます。

ちなみに、「むくみ」は、両足に出る場合は内臓が悪く(心臓、肝臓、腎臓など)、片足の場合は、リンパ管や血管に異常があります。
また、顔に出る場合もあり(寝起きなど)、体重が一週間に2~3キロも増えるのもむくみの可能性があります。


[予防法]

『慢性腎臓病(CKD)』の予防法は、”減塩”が大事だということです。

腎臓病が進行してしまうと、厳しい食事制限が必要になり、さらには水分まで制限されるので、そうなる前に早めに減塩食を心がけることが肝心です。

家庭の調理では、塩を減らしても味気なくないように、酒かす、酢、レモン、バジルなど香りの野菜類、など工夫すると美味しく食べられます。


●最新研究

・運動効果

腎臓病が進んで人工透析を受けるようになると、1回に5時間くらい専門病院でベッドに寝て受けますが、その時は安静にしているのが普通です。

しかし、仙台市の「川平内科」では、透析中に患者さんは、ベッドの上で卓上の自転車こぎなどで運動しています。中には、透析の管が付いている腕を動かして運動している人もいました。

これは今までの常識を覆す透析法ですが、運動しながらだと、血液の巡りが良くなって透析の効率がよくなり、時間も短縮されるメリットがあるのだそうです。

これはどこの透析病院でも取り入れられる方法ではないでしょうが、アメリカのデータでは、このようにすると、生存率も高まるという結果が出ています。

透析時だけでなく、日常でもウォーキングや水泳など息切れしない程度の有酸素運動をするのは、腎臓の負担を減らすので、よいそうです。


以上、『慢性腎臓病(CKD)』が心配な場合は、

①健診時には、蛋白尿、クレアチニンの値に気をつける
②減塩食を心がける
③適度な運動で腎臓力アップ

に注意するようにしてください。