昔から”手先を使う職業の人はボケにくい”などと言われ、認知症予防に手先を使う作業を取り入れている老人ホームが多いようです。
しかし、最近の脳科学の研究で、”細かい手作業などの指の運動よりも、咀嚼の方が脳を活性化する効果が大きい”と分かり、意外だったので、紹介してみます。
その研究の実験によると、「ごぼうやイカの刺身の硬さのものを咀嚼すると、それより柔らかいものに比べて脳の血流量が増えるので、脳活性化、認知機能の低下防止に好影響を与えている可能性がある。またガムを噛むと学生の成績が向上したり、幼児の知能指数にも関係する」ということでした。
つまり、硬めの食品をよく咀嚼して食べる習慣をつけると、脳を活性化し、認知症予防や学業の向上、幼児の知能指数の発達などに好影響を与える、というです。
最近では、そうした目的のために、普通のチューイングガムの2倍の硬さのガムなどが売られています。
車の運転中の眠気防止にも、ガムを噛むことが勧められていますから、ガムを噛むことは脳の活性化にはいいのでしょう。
有名な脳の大脳皮質と身体の器官の対応を示した「ペンフィールドの脳機能地図」によれば、歯・あご・唇・舌など口のあたりの機能に対応する部分が、大脳皮質の面積の4割を占めていることも、この研究結果を裏付けていると言えそうです。
ハンバーガーなど柔らかいものばかりを食べるため、顎の発達も弱くなり逆三角形の顔の若者が増えているといわれて、随分と時間が経ちます。
歯ごたえがあるものをたくさん食べることは重要であり、認知症を防ぎ、頭脳の働きを若々しく保つためにも咀嚼力を鍛えることは大事だという事ですね。
そのためには、歯や歯茎なども健康に保つ必要があるのは言うまでもありませんけどね。
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