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しびれに潜む怖い病 / 早期発見の方法”という特集が、「主治医の見つかる診療所」(テレビ東京、2月25日)でありました。

手や足の”しびれ”は、番組の街頭インタビューで6割の人が経験していましたが、そのうちすぐに病院に行く人は少なく、8割の人がそのまま放置しているという調査結果がでました。

もちろん、病院へ行かなくとも大丈夫な軽いしびれもありますが、中には放置すると、寝たきりや突然死につながる危険な”しびれ”もあります。

そこで今回の「主治医の見つかる診療所」では、そうした危険な信号としてのしびれを特集し、”しびれのSOSサインを見逃すな”という内容の番組になりました。

まずは、命の危機に関わるしびれから。
●脳梗塞だった”しびれ”

【症例】発症時71歳男性。
スーパーのレジでお金を出す時、財布に入れた左指先の感覚がおかしくなり、10円、1円の感覚が分からなくなった。親指、人差し指、中指にしびれがあり、その後も物を落としやすくなり、唇と舌の左半分もしびれるようになった。病院へ行くと、「脳梗塞」と診断された。

この男性は、1日に50本のタバコと大量の飲酒、高血圧などがあり、脳梗塞の原因となったと思われた。幸に軽い症状だったので、手術せず、薬と食事療法で回復した。

しびれの原因が脳にあるかどうか(脳梗塞など)の見分け方として、
・左右どちらか片方がしびれる
・これまでに感じたことのないしびれが長く続く
といった特徴があり、さらに脳に原因があるかどうかの以下のチェック法を紹介していました。

[バレーサイン]
肩の高さに両手を前に出し、手の平を上に向け、目を閉じる。その状態で10秒間保てれば、異常なし。脳に何らかの病変があると、片方の手が下がってしまったり、手の平が横を向いてしまう。

[継ぎ足し歩行]
左足のつま先に右足の踵を付け、次に右足のつま先に左足の踵を付ける、という風に左右の足のいつま先と踵を付けながら一直線に歩けるかを見るテスト法。大きくバランスを崩す場合は、小脳に病変がある可能性がある。

次に女性に多い手のしびれで、
●手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)

【症例】発症時63歳女性
夕食の支度中に、右手の親指・人差し指・中指・薬指の4本の指にしびれを感じた。2,3分すると収まったが、その後も続き、数ヵ月後には手首あたりまでしびれを感じるようになった。
1年後には布巾が絞れず、洗濯バサミもつまめなくなり、その半年後にようやく病院へ。

診断は、『手根管症候群』。
これは、手首の中央辺りを通る「正中神経」が靭帯が厚くなったりしたために圧迫され、そこから先の指にしびれを生ずる病気。正中神経は、親指から薬指の半分までを支配するので、それらの指にしびれが出る。進行すると、親指の付け根の筋肉が萎縮し(痩せ)、物がもてなくなったり、ボタンが留められない、ペットボトルのキャップが開けられない、指でOKサインを作れない、などの症状が出るようになります。

40歳過ぎの女性に多く、原因は女性ホルモンの影響、手をよく使う家事のため、などといわれています。

この女性は、手術で手首の靭帯を切開して神経の圧迫を取り、治りました。

手根管症候群の早期発見テストとして、
[ファーレンテスト]
胸の前で合掌するポーズで、手の平でなく、手の甲を合わせる(手先は下を向く)。その際、手は肩と同じ高さにする。その姿勢で20秒間して、しびれが出なければOK。


足の切断の危機がある、
●動脈硬化のしびれ

【症例】発症時73歳男性
歩くと左足のふくらはぎがしびれるようになったが、5~6分休むと回復していた。
しかし、だんだんしびれの間隔が短くなり、しびれも強くなっていった。ある日、激しいしびれと痛みで歩けなくなり、異常な足の冷たさも感じた。
病院へ行くと、『閉塞性動脈硬化症』と診断された。

これは、悪い生活習慣などが原因で、コレステロールなどで足の動脈が詰まってしまう病気で、最悪の場合、足の切断の危険もあります。また足の動脈が詰まるほどであれば、全身の血管も同様に悪くなっていて、脳や心臓で詰まれば死に至る危険もある状態の場合が多いということです。

この男性は、左の太ももの動脈が詰まっていて、動脈の中に金属製の管を入れる手術をし、しびれや痛みから回復しました。

閉塞性動脈硬化症のしびれは、正座の時のしびれに似ているのが特徴だそうです。また、全身状態も悪く、5年後の死亡率は25%にもなるので、直ちに全身的な治療が必要になるということでした。

足のしびれが動脈硬化によるものかのテスト法は、
[左右の足の脈を比較]
足の甲の、親指と次指の間を5センチ上がった当たりに脈が触れる部分があります。そこの脈を確認し、左右差を調べる方法です。どちらかが著しく弱ければ、どこかで動脈が詰まっている可能性があるわけです。

しかし、何の症状もない場合は、脈の触れ方に左右差があっても問題ないと思います。動脈の形状には個人差が結構あるからです。ハッキリとしびれ・痛み・冷感などを伴う場合は、注意が必要ということでしょう。