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食べすぎ、飲みすぎなど暴飲暴食、胃の入り口が緩んで起こる逆流性食道炎ではない、ニュータイプの「胸やけ」があることがわかってきたそうです。

5月14日のNHK「ためしてガッテン」は、このニュータイプの胸やけを取り上げて、”胸やけ!長引く新理由”という特集をしていました。

胸やけの薬というと、胃酸を抑える作用のものですが、現在胸やけの患者の40%はこのタイプの薬が効かないニュータイプの胸やけだそうです。その推定患者は、何と500万人。

暴飲・暴食、胃弱などが原因ではない「胸やけ」です。

従って、このニュータイプの胸やけの人の食道を胃カメラで検査すると、健康な人と同じようにキレイです。

番組で取材した69歳女性の方は、5年前から胸やけが始まり、みぞおちから喉にかけてつかえる気持ち悪い圧迫感に悩まされました。胃酸を抑える薬を飲み、元々酒は飲みませんが、食事の量を控え、魚・野菜中心のあっさりしたメニューにしてみましたが、治りませんでした。

また別の男性は、以前「ガッテン」の胸やけ特集で紹介した”だ液をのむ”方法や、上体を起こして寝るなど試しましたが効果なく、しまいに日中いっぱい胸に痛みを感じるようになり、食事も食べられなくなり、ついには仕事も退職してしまいました。


これらニュータイプの胸やけの人たち、一体何が原因なのか?

それは、

何と、

< 空気(ゲップ)で胸やけが起きていた >


ということでした!



実は、だ液や水を飲み込むと、一緒に空気も飲むので、上の男性は逆効果のことをしてしまっていました。そのため、胸やけが悪化していた可能性もあります。


この、”げっぷで起こる胸やけ”のメカニズムとは?


食道上部の粘膜には、『TRPV1』というセンサー細胞があります。強酸性物質や毒物を感知して吐き出させる作用をしています。普通はほどほどに働くので、いたずらはしません。

ところが、「げっぷ」は元々胃酸まじりの空気なのですが、これに過剰反応すると、普通のゲップでも、胃から上がってくるたびに胸焼けを起こすようになります。

これこそが、逆流性食道炎でないのに起こる謎のゲップの正体でした。


そして、過剰反応の原因はというと、「ストレス」なんだそうです。


原因不明なので、胸焼けが起こると、それがストレスとなってさらに『TRPV1』が暴走→胸やけ悪化→ストレス→胸やけ、と悪循環を起こしてしまうのです。


このメカニズムが分かったのは最近なので、医師の間でも知らない人も多く、検査で「異常なし」で済まされる患者も多いといいます。


このニュータイプの胸やけは、「インピーダンス検査」(鼻から細い管を常時入れて、胃や食道の機能を見る)で見分けられます。昨年認可されたばかりの新検査法です。

ご自分の胸やけに心当たりがある人は、大学病院などで検査してもらいましょう(番組では群馬大学病院での検査を紹介していました)。


ニュータイプの胸やけの特徴は、

・食後以外でも起こる
・胸の上部の症状が多い(鎖骨あたりで起こることも)
・市販薬が効かない

などです。また、だ液や水を飲む対処法をすると悪化します。

治療法は、食道粘膜保護薬や抗うつ薬が効果があります。病態を正しく認識できたことでストレスが減り、症状が軽くなることもあります。



最後に、一般的な「胃液逆流を防ぐ裏ワザ」を紹介していました。

・食後すぐに横になる時は、左を下にすると逆流が起こりにくい。巷では「右を下」が
常識のようですが、それだと胃の入り口が下になってしまい、逆流しやすくなります。

・脂肪性のものを多く食べると、脳からの指令で胃の入り口が広くなり、逆流→胸やけを
起こす(食べすぎの警戒指令)。
・猫背だと胃の内圧が上昇し、胃の入り口が緩みやすくなるので、注意(肥満も胃を圧迫する
要因となる)