ガッテン」(NHK、7月12日放送)は、”ひざ痛解消!関節を滑らかにする3分ワザ”という特集でした。

変形性膝関節症など、日本人に多いひざ痛には、実は知られざる真犯人がいて、それがわかれば、とても簡単に痛みを解消できる方法があるという内容です。


その膝痛を解消する秘密のキーワードとは、『関節包』です。

そして、超簡単なひざの痛み解消法とは、「1日3分のひざ伸ばし」でした。
某大学病院のデータでは、関節包に働きかけるこの方法で、2ヶ月で約半数の膝痛が解消したという結果が出ています。


番組に登場した膝痛で悩んでいた女性2人とも、この方法でほとんど痛みがない状態まで回復していました。




1、まず、この膝痛の真犯人「関節包」を発見する経緯について

以前、新潟県十日町の松代地区というところで、住民1,000人を対象にした大規模な「松代膝検診」という調査が行われました。

38年間に渡って、変形膝関節症など膝の疾患を調査するものです。


この調査に携わっていた医師が、調査を進めている際に、予想外の事実に気づきました。


それは、”重度の骨変形があるのに、痛みのない人が53%もいた” ということです。

重度の変形だとレントゲンでは、軟骨が擦り減って、太ももの骨とすねの骨とが接するくらいに変形しています(重傷度グレード3,4に該当)。

そうなると、当然、膝はO脚になり、直立すると左右の膝の間には指が2本以上はいるくらいに開いてしまっています。見るからに膝が悪そうな外見となっています。

しかし、それでも本人は膝には痛みがなく、急斜面での草刈なども平気ですることができていました。


逆に、レントゲンで少し軟骨が薄くなった程度の初期(グレード2)でも、痛みが強く膝を曲げられない人もいました。


果たして、膝の痛みと骨や軟骨の磨耗・変形との関係はどうなっているのでしょうか?
膝痛の真犯人とは何なんでしょうか?


それが、上に書いた『関節包』という組織なのです。


関節包は膝の関節を被っている袋のような組織で、その中は滑液(かつえき)という液体で満たされています。この関節包は膝関節が滑らかに動くようにする働きを持っています。

そして、この関節包は正常なら軟らかいのですが、加齢や軟骨が擦り減って炎症などがおこると硬くなっていき、痛覚神経も多いために痛みを引き起こすと考えられています。

要するに、膝痛の人のかなりの割合の人が、関節包が硬くなっているのが原因で起こっているということです。


2、硬くなった膝の関節包をストレッチして軟らかくする方法


では、関節包を軟らかくするにはどうしたらいいのでしょうか?

それは、最初に書いた「1日3分の膝伸ばし」です。


膝を伸ばした状態で、太ももの筋肉(とくに前面)にギュッと力を入れると、膝のお皿と周囲の組織が上(太ももの方向)へ引っ張られ、関節包を伸ばしてストレッチ効果があるのです。


【膝のばしのやり方】

①床に足を投げ出した状態で座り、痛む方の太ももにギュっと5秒間力を入れる。
この時、お皿が上の方に引っ張られるのがわかる。

②次に力を抜く。

この①と②を10回繰り返し、それを1セットとして、1日に2~3セット行う。


膝の下にタオルを入れて、それを膝で抑える感じでやってもよい。

さらに、膝の下ではなく、足首の下にタオルを入れてすると、膝の裏側も伸ばされる効果がある。


椅子に腰掛けてやってもよい。この場合は踵が床に付くようにしてする。


注意事項として、

・膝に外傷がある
・膝に熱がある
・リウマチ、通風による症状がある

などの場合は、やめておきましょう。


おまけの膝ストレッチ法として、

①風呂正座
湯船の中で、膝を付いて立ち、そのまま膝のつっぱりが感じられるところまで正座姿勢をとる。5~10秒間停止する。この方法で1~2分正座ができるのを目標にする。

②膝のお皿のストレッチ
膝を伸ばして座り、膝のお皿が動くのを確認する。そしてお皿を8方向に手で押して動かす。動きが悪い方向へは入念にする。これは結構効果があるようでした。


そして、膝の痛みがなくなったら、再発予防として、ウォーキングやスクワットを無理のない範囲でするようにします。